自然災害を取り巻く環境が変化しています。時代とともに、災害の要因だけでなく、災害を受ける社会も急激に変わっています。地球温暖化、地形の改変、計画性のない都市のスプロール化、生物多様性の喪失、森林の荒廃など、多くの変化が顕れています。
近年、環境の変化もあり、自然災害と感染症との複合災害、線状降水帯の頻発化、熱海の盛土崩落による土石流、トンガの火山噴火と津波、日本の海底火山の噴火と軽石の漂流など、新たな多様なハザード(危機)と災害が出現しています。また、新たに検討されている日本海溝・千島海溝周辺型地震では、寒冷で平坦で人口密度の低い土地における津波・地震対策が課題になっています。防災に関わる学協会は出現した多様なハザードへの備えという重大な課題に直面しています。
自然災害を取り巻く環境が変化する中で、防災科学が果たすべき役割に焦点を当てて、多様な視点から広く意見交換をしたいと思います。